恒例「秋の夜長の観賞会」開催

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10月22日(土曜日)

こんにちは。昨日の鳥取での地震、教室でも震度4、結構長く揺れました・・・朝晩寒くなってきましたし、今日は雨も降り始めました。被害にあわれた方々が、少しでも良い状況で過ごして頂ける事を祈るばかりです。 私の携帯にも「大丈夫ですか?」と沢山心配のメールを頂きました。本当にありがとうございました。 これからもしばらく気をつけないといけないようです、どこにいても安心なところは。。。皆さん気をつけてくださいね。

さて、去る10月10日(月曜日)彩匠恒例の「秋の夜長の観賞会」無事開催しました。 考えてみるとこの会も既に10回を超えています。 京都に出向いて行って沢山のモノを見せていただく機会の多い私と学院長。 その時に、それぞれの取引先で、社宝のような作品、職人の素晴らしい技術がてんこ盛り込められた作品、中には美術館入りしてもおかしくない様なモノも、キワキワの思いを込めて作った為に、二度と同じものは作れないので、人前に出すのを辞めているモノ・・・など本当に素晴らしいモノを見せていただくことが多々あります。 その時に「あ~生徒さん達にも見せてあげたい!!」と心底思います。 京都に出向いてくれれば見せてあげられるのですが、様々な事情を皆抱えているわけで、皆が京都に行けるわけではありません。 でも、でもそんな生徒さん達にも「見せてあげたい!!」 その思いから始まったのがこの「秋の夜長の観賞会」です。1年に1度だけ彩匠の教室を飛び出し、「新渓園」の50畳の会場をお借りして、普段見ることの出来ないものを、お願いしてお借りしてきて、展示させていただき勉強をします。

今年は分類すると・・・「京友禅」になる「北出与三郎」さんの作品を見せていただきました。

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「主役は着る人、着物はあくまでもわき役」「着ている人ではなく、着物が褒められたら・・・切腹もの」

そんな強い信念を持ってモノづくりをしているのが今回の「北出与三郎」さん。

職人とはもともと日々技術を研鑽してゆくモノ・・・そんな職人はえてしてその素晴らしい技術をこれでもか、これでもかと作品に載せたがるものです。それが当たり前と言えば当たり前の事。その中で、着物には帯も小物も載せて出来あがるものだから着物だけで完成してはいけない。ましてや着る人より着物が目立ってはいけない。いわば「引き算」の出来る職人は、残念ながら本当に少数しかおられません。 今回の作品はまさに引き算の成立しているモノばかり・・・派手さや賑やかさは(写真で見ると特に!)控えめですが、一点一点本当に力があり惹きつけられます。 何時間でも見ていられます!! 見惚れてしまいます・・・

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16時開場の予定ですが、時間より少しづつ早くから待ちきれない生徒さんたちが集まってきました。

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そして、説明開始の予定していた17時には・・・着物姿がいっぱい!! 説明が始まるのを待ち切れず、個人的に質問を始めていた人もチラホラ・・・ 今回は職人さん自身は来ていただくのは無理だったので、先代どうしから深いお付き合いのあるメーカー問屋の社長さんが来て下さり、作品一点一点を職人「北出与三郎」の人柄も交えながら、丁寧に楽しく、わかりやすく説明して下さいました。

今回実感したのは生徒さん達皆「いい物を見る目は間違いなく養われている」それは、たくさんのいい物を機会あるごとに見ることで、養われていく・・・ ただしその先「なぜこれがいい物なのか、自分が惹きつけられるのか?」それは自分で勉強しなければ、いつまでたってもわかりません。 「これは何?」「なんでこんな光沢があるの?」「この織りは何?」「この手触りは何?」「この柄は?」「柄の意味は?」・・・それらは自分が学ぼうとしなければ、決して身につくことはありません。

その為に、彩匠では一点一点必ず説明してもらいますが・・・写真でもわかるように、皆ガッチリ食いついて、話を聞いています。一人一人の、知識の差はありつつも、それぞれが、一生懸命に学んでいる、学ぼうとする真剣さが伝わってきます。彩匠では、ごくごく当たり前の光景なんですが・・・今回説明をして下さった社長さんは「本当に説明のし甲斐がありますね。こんなにガッチリ聞いていただいた事、ありません。ビックリしました!」「作り手も作品も本当に喜びます。」と嬉しいお言葉を頂きました。

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一生懸命勉強したら・・・おなかが減ります。 毎回「さくら弁当」さんにお願いしているお弁当を頂きます。 さくら弁当さんにもこの会の最初からお願いしています。 今ではメールで、「今年もお願いね!」なんてあまりにも簡単なお願の仕方をしていますが・・・毎年趣向を凝らして作ってくださり、こちらの都合にあわせて、配達までしてもらっています!! 実はこのお弁当もこの会の楽しみになっています。今年も美味しかったね~!! おなかもいっぱいになりましたよ。 今年は36名の多人数!! 会場の真ん中で、テーブルで輪を作り皆で互いの顔を見ながら同じお弁当を頂きます。勿論今日「はじめまして」の方もいますし、お子さんやご主人も一緒に参加して下さっている生徒さんも、さらには一ヶ月後に出産を控えた生徒さんや、病気の治療を頑張っている生徒さんも・・・ 皆誰とでも仲良くしてくれるので、暖かい空気ですし、さりげなく互いに気遣いを示しあっている様子が随所に・・・本当に助かりますし、嬉しくなってしまいます。

そして、食べ終わったら・・・皆そわそわ始めます(笑) 座布団を寄せ、テーブルを片づけ・・・ 何か言いたい眼で、訴えるような眼で私を見つめる生徒さん達!! そうです、これからが彩匠の生徒達の本領発揮!

「社長、作品達を羽おってみてもいいですか?」「勿論いいですよ。」

はい、今年は歓声が上がりましたね! あっという間に展示してあった着物や帯はそれぞれ狙っていた生徒さん達の手に!ほぼ参加者全員が、ほぼ全ての着物を羽おり、帯を当てて鏡の前に!! 「あ~!すごくよく似合う!」「うわーこんな色目も似合うんだ!」「私の方がよく似合う!」「それはよく似たの持ってるじゃん。」「この手触りすごい!」「こっちの手触りとは違うよ、又違う気持ちよさ!」エトセトラ・・・・・ 社長はあまりの事に圧倒されていましたね。中には「ここの色目で箔を抜いて、無地になるように別注お願いできたらうれしいな~。」なんて荒てな事を言い出す人まで! 本当に楽しい時間でしたね。 勿論着せて歩いている私には、写真を撮る時間はなく!! 私自身羽おってみる時間など勿論無く・・・

最後に、「先生、折角だから、集合写真撮ってください。」と声がかかったので、その時まだ会場にいた人だけになりましたが、集合写真を撮りました。 皆いい顔してますね~!

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今回も沢山の方の善意とお力をお借りして会を無事開催できました。 本当にありがとうございました。 11月には北出先生の工房に直接お邪魔させていただくことになっていて、非常に楽しみにしています。 この会も終わるとホッとすると同時に、さて来年は何をしよう?と不安になりますが・・・ でも参加者も年々増えて感謝感謝です。 みんなありがとうね!