夏物 単衣 彩(いろどり)展

5月27日(火曜日)

少し前までは肌寒い日もチラホラ・・・なのに急に熱中症に注意しなければならないほどの暑さ!皆様くれぐれもご注意くださいませ。 

さて、彩匠恒例の、「夏物 単衣の彩展」を今年も5月18日の土曜日より三日間開催することが出来ました。 風が強かったものの、心配されたお天気もなんとかもって、楽しい会を楽しむ事が出来ました。

初日、10時からの予定ですが、まあ少し早目から皆はやってきます! 写真は着物二枚にあわせられる帯を希望された生徒さんの帯探しの様子の一部です。 当然着物を二枚持ってきて、下で何本か先に帯を選んでおきます。 二枚に載って。手持ちのものと雰囲気の変わる物。 10本近く帯を合わせてみましたが・・・本人ピンとこない様子。「どれもいいんだけど・・・」彩匠ではこの状態で物を買っていただく事はしません! 最終彼女に出した帯は・・・黄色の地色に白抜きの柄の帯でした。 自分で小物合わせが出来る彼女ですから、小物を変える事で、装いの雰囲気を自由自在に変えられる帯です。 やっと彼女の顔からあいまいさが消え、「うんうん!」と力強くうなずいてくれました。 そして更にここから小物合わせ(帯締め帯揚げ)が始まります。 どれだけ実際雰囲気が変わるのか、自分がどういう雰囲気で着こなしを作りたいのか。 本人だけでなく、周りの生徒さんも皆真剣そのもの、楽しみつつ、しっかり勉強しています。 なので、彩匠の展示会では一人一人にとても沢山の時間がかかります。 買い物をするかしないかは全く関係ありません。 一人一人、似合う物を探したり、新しい魅力を引き出す為には大切な過程です。

なので、綺麗にディスプレイされているのは最初だけ、お手伝いに来て下さっている男性陣が、綺麗にして下さっているのですが・・・降ろしてみる人間の方が多いんですものね(笑)

二日間通ってくれた生徒さんもいらっしゃいます。 新しい物を加える時は必ず手持ちの物を持ってきて、手持ちの物をいかしつつ、新しい物を加える事で、装いの幅を広げてゆきます。

展示会場の隣の部屋(事務所)でも、チェックしてますね(笑) 特別に頼まれている物や、行き先の決まったものが置かれているのですが・・・流石 彩匠の生徒です。 隅々まで作品チェック! 勉強しています。

写真が少ないので、なかなか会場の熱は伝わりませんが・・・一人一人が真剣です。 皆は買い物しに来ているわけではなく。 沢山の本物の作品が届く機会に、沢山の物を見て、触って、学んでいます。 自分の似合う物を知り、自分の新しい魅力を知る。 人のコーディネートを見ながら、そのテクニックを学び自分の装いにいかす。 一人一人に時間はかかるものの、せかす人もいません。 中には、仕事の合間に来られる方もいますが(笑) 

年々生産数の減る夏物単衣、本当に沢山揃えていただき、ただただ感謝です。 「機屋さんの廃業」みたいなさみしい話が多い着物業界ですが、ここには本当に着物が好きで、着物を着たい人が集まっています。和服って本当に素敵! 夏物単衣は特にそう思います。 私は大変な暑がりで、汗っかっき。 暑くなってくると、タンクトップに短パン なんて格好になってきますが・・・ それは見た目にもあまり美しくなく、暑そうに見える・・・ でも着物は、着てしまえば、首筋やら脇やら必要なところに風が通り快適! そして自分だけではなく、周囲の人に「涼しさ」を感じてもらう事が出来る。 

さあ、今年も暑くなりそうですが、彩匠の生徒は皆、しっかり着物で過ごしてくれることと思います。着物を持ってるのに、買ったのに、着ないでしまいこむのが一番勿体ない! 作り手はたんすにしまってもらう為にモノ作りしているわけはない! 沢山着て、自分も楽しみ、周囲も楽しませてこそ、価値があり作り手に恩返しが出来ます。 

三日間の貴重な時間の為に、沢山の作品を揃えて下さった、お取引先の皆様。本当に感謝しています。彩匠、どれだけ恵まれているか・・・ありがとうございます。 そして、ちゃんと趣旨を理解して、彩展参加して下さった生徒の皆さん。 着物を着て、参加して下さった皆本当にありがとうございました!!