秋の夜長の観賞会 「上田紬職人 小山憲市の世界」 開催

憲ちゃん2 10月21日(月曜日)

こんにちは、今日は何だか暖かい・・・  毎日の気温差に何を着ていいのか毎朝悩みますね。 台風も次から次へとやってきて、驚くほどの被害に、自然の驚異を感じます! どうか、悲しむ方がこれ以上出ませんように!! 心底祈ります。 

去る10月14日(月曜日)の祝日に、彩匠恒例の秋の夜長の観賞会「上田紬職人 小山憲市の世界」を開催しました。 いつもなら、開催前にお知らせするのですが・・・今年は手前で10日間以上県外に出ていて、アッと言う間に当日を迎えてしまいました。 スミマセン!

当日は晴天に恵まれ、心地よい一日でした。 8月に上田まで出かけてゆき、実際に小山さんからきものや帯の出来るまでを説明を聞き、目の前で見せていただき、体験させていただいたことを、彩匠の仲間にお伝えできたことと思います。 今年は、技術や技法の勉強に重きを置くのではなく、小山憲市という職人(人柄・物作りの姿勢等)に、スポットが当たった内容だったと思います。

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細かい説明、(技法等)はパネルで展示。 出来るだけ言葉を砕いて、読めばわかってもらえるように作りました。 早くにこられた方は、先生から詳しい内容を説明してもらって、勉強しておられましたね!

 020-1 上田紬を購入された生徒さんが、ご自分の着物の端布を虫眼鏡と共に持ってきてくださいました。 経糸50色使用も珍しくない小山さんのお着物。 虫眼鏡で見ると、糸の色数や、糸の種類まで、くっきりと見えましたね。 

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早めにこられた方は、8月に上田へお邪魔した時のビデオを鑑賞してくださっています。 お久しぶりの生徒さんもおられたり、この会には必ずご一緒してくださるご主人にお会いしたり・・・楽しい穏やかな時間でしたね。

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四時開場でしたが、五時からは説明を始めました。 主に、「小山憲市」という職人の紹介、作品に対する製作中の思い。目指す作品像。などについてお話をしましたね。 そして、百聞は一見にしかず!! 上田紬を着ている人に立っていただいて、皆さんに見ていただきました。

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そして、何より今年の目玉。 8月に上田へ一緒に出かけた生徒さん全員が、ご自分の言葉で感じたこと、驚いたこと、嬉しかったことエトセトラ・・・お話してくださいました。 お願いのお手紙を出したりしたので、全員が半強制的で・・・しんどい思いをさせたと思います・・・ごめんなさいね!! でも、それぞれの言葉でお話をしてくださるのを皆さんが聞いてくださって、私一人が話すことの何倍も様々な事が伝わったと思います。 本当に有難うございました。 皆、それぞれ個性的で、良かったですよ!!

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そして、その後展示作品の紹介をしました。 今回は5点のみ。 それも全て「非売品」です。  実は作者の強い思いが一点一点こもっている為、手放すことの出来ない作品達。更に再び同じものを作ることは出来ない作品達(その時の思いでしか作れないもの)なんです。 実はもう人前に出すことを止めておられたのですが、秋の夜長の鑑賞会の趣旨を説明して、お借りしたお着物たちなんです。

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最初に皆にお願いしたのは、「感じること」でしたね。 彩匠はいつも「学ぶこと」に重きを置いてきましたが、今回は感じること。 そこには間違いや正解なんてありません。 素直に心を開いて、作者の職人の思いを感じて欲しかったのです。 その時の気持ちや状況を想像して感じて、そして目の前の作品を見直してみる。そして又そこで感じて欲しい・・・ それが今回の会をすると決めた時の私の願いでした。

そして、一点一点の紹介を背景を職人に代わってお話させていただきました。 話してる私も言葉が詰まったりしましたが、涙を流してきいてくださる方や、沢山沢山うなずいて聞いて下さる方も・・・ こういうときに感じます。 彩匠の生徒さんは本当に皆さん素直です。「感じる」って、簡単に出来ることではないんですが、素直に心を開き、話に耳を傾け、それぞれが感じてくださっている様子が、ひしひしと伝わって来ました。 本当に嬉しい時間でした。 う~ん幸せ。

そして、お腹もすいたことですから、夕食タイム!! ・・・ところが・・・すみません。 いつもはお食事の時の写真を撮るのですが、今年は食べることに必死で、すっかり写真を撮り忘れました!!  美味しかったんですよ! 毎年同じ「さくら弁当」さんにお願いをしています。 最初にお願いした時には「味とボリュームは任せてください!! ただ、綺麗なお弁当は・・・」と言われていましたが、毎年こちらも進化です。 味とボリュームに加え、見た目もずっと華やかで、綺麗なお弁当に喜びの声が上がりました。 相変わらずのボリュームに、食べきれず持って帰る人多数です!! 

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彩匠の彩匠らしいところです!! 涙を流して説明をきいたお着物たちを、試着です。 「このきものはあんまり人を選ばない」とか、「このきものは〇〇さんが、一番似合う」とか、「このきものの色が、凄くあなたの顔色にあってるから、この色で作ってもらったら?」とか・・・銘々が好きなことを言っているようですが、目が肥えて、感覚が育っていないと言えない事ばかりなんです!! その言葉を聴きながら、先生と私はニヤニヤしてしまいます。 皆育っている~!!ってね。

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そして、さすがです。 何にも言わずに、デイスプレイで置いてあった草履。 ちゃんチェックしてましたね。 「先生これはなんの草履ですか?」「ハンプの草履だよ。」「ハンプって?」「ヨットの帆や、キャンバスに使われる丈夫な布です。」「皮の草履との違いは?」・・・嬉しくなる質問が次々に飛んできます。 そして、私が答えなくても、代わりに答えてくれる生徒さんも増えてきました。 嬉しい限りです!!

今年も沢山のものを感じて学べた会だったと思います。 今回も様々な方にお世話になりました。貴重な作品をお貸しいただいた小山さん有難うございました。 いつも大変な部分を嫌がらずに手伝ってくださる蔭山先生、有難うございました。 感想を述べてね!とお願いをした生徒さん達、皆有難うね! お弁当を用意して下さったさくら弁当さんごちそうさまでした。 新渓園の管理人さん、いつも暖かく見守ってくださり有難うございました。 沢山の方の熱い思いの上に成り立っている会です。 みなさん本当に有難うございました。