クリーニング見学会

5月9日(月曜日)
こんにちは すっかりご無沙汰してるうちに・・・気温は初夏!? 
でも、朝晩は涼しい日も・・・ 体調には気をつけてくださいね。 

早いもので震災からもう二ヶ月・・・ 『もう』なのか、『まだ』なのかテレビで映像を見るたび、様々なお話を聞くたび色々考えてしまいます。  立場が違えば見えるもの、感じることがこんなに違う・・・ いつもどこかで、『自分は?』と問いながら日々を過ごしています。 

様々な状況の中、 でも、彩匠は彩匠らしく一日一日を大切に過ごしています。 

報告が遅くなりましたが、 去る4月14日 彩匠ではおなじみ、というか散々お世話になっている 「きもの染み抜き専門店 井ッ美」 さんにお邪魔しました。 着物を着る人間にとっては、安心して着物のアフターをお願いできるところが、有るか無いかはものすごく大きな差です。 
井ッ美さんは 「着物染み抜き専門店」といわれるだけあって、(洋服のクリーニングをしているお店が、着物のクリーニングを安易に引き受けて、失敗して駆け込まれることもあるそうです!)京都できちんと修行をつまれた方が、一枚一枚丁寧に汚れを見て、適切に処理してくださるので、本当に安心なんです。 
 が、自分の汚し放題の着物が、どんな風に綺麗になってゆくのか、着物のクリーニングとは実際どのようなものなのか自分の目で見たくて、無理やり現場見学をお願いしました。  「彩匠さんらしいですね」と優しい社長兼職人さんのMさんは、少し戸惑いながらも快く引き受けてくださいました。 が、当日はMさんの予想をはるかに超えた人数で参加です。 (お仕事を休んで参加された方もいらっしゃいましたね。)

   

 目で見て、(私たちには見えない汚れ・・・)薬品をつけて、大まかに汚れシミを落とします。 薬品を使うものは油系の汚れです。

     

 機械でいわゆるクリーニングです。(薬品なので、水とは違い縮みません!私には何だかやっぱり不思議な気がします。)

     

 八掛が縮んでしまい、表地が引っ張られてしまっている着物も、プレスで綺麗になります。 上の四枚目の写真、左右の違い一目瞭然ですよね。

  

 
 固まってしまっているたんぱく質汚れは、酵素をぬって汚れを落とします。が、色も落ちてしまいます。 が、ここは井ッ美さんならでは!! 色を挿すだけではなく柄を挿す(書き入れる)事も出来る職人さんはなかなかいません。 が、目の前で見せてくださいました。 茶色の反物に、白く色が抜けています。が、最初に筆につけた色は何と「赤!?」エッ!! っと思っていると次は「青!?」 そして「水色!?」 やっと他の色よりは納得できる「黄色」 細い筆の更に先端に色をつけ、丁寧にすこしづつ色を乗せてゆく。 本当に繊細な作業です。 が、気付けばどこが白かったのかわかりません!!

     

 何と、その色挿しを体験させていただきました。 が、近づきすぎると色がわからなくなるし、離れると全然違って見えるし・・・ 勘と経験とセンスがとても大事!! 
 
 何よりの印象は、本当に丁寧に一枚一枚を扱われていること・・・ 持ち主の自分が着物に「ごめんね」と言いたくなるほどでした。 

  

予定の時間が差し迫り、「最後に聞いておきたいことは? なかなかこんな機会は無いよ。」と言った私の言葉に、「汗汚れ(水で落とさなくては落ちない汚れ)はどうやって落とすんですか?」と質問が出ました。  時間が差し迫っているにも関わらず、「ではお見せしましょう」と嫌な顔一つせず、実演をしてくださいました。 水は着物の大敵です。 縮まないの? 見ていてもドキドキします。 が、これがプロの技なんだわ!と驚きです。もちろん再び全員が食い入るように見入ったのは言うまでもありません。 
 
 「更に安心してクリーニングをお願いできるわ」 「簡単にクリーニングというけどすごく繊細で、大変な技術がいるのね」 「仕事休んで、参加する価値があったわ」等みんなの感想がとどいています。 
 
 お仕事をすっかり邪魔してしまって本当にすいませんでした。 従業員の皆さんもとっても気持ちよく応対していただいて、(大人数の私たちは、めちゃめちゃ作業の邪魔をしていたのは間違い有りません!!) 本当に有難うございました。  何でも見てみないと納得できない私をはじめ、彩匠はいつも「百聞は一見にしかづ」です。 周囲の皆さんにはいつもご迷惑をおかけして申し訳ないのですが、参加者全員が今回もまたとっても貴重な体験を出来たと思います。 有難うございました。 これからも懲りずにお付き合い宜しくお願いいたします。