博多織 勉強会 開催

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7月24日(月曜日)

毎日本当に暑い日が続きます。 ホント、ぐったりの日々です。皆様ご自愛くださいね。

さて、遅れ遅れの投稿になりますが・・・ 6月17日と18日の二日間は彩匠恒例の「勉強会」でした。 6月は毎年「講師」を招いて、しっかり勉強をさせていただきます。 今年は生徒さんや学院長の念願だった「博多織」についての勉強をしました。講師は博多織の老舗、「西村織物」さんから大番頭さんにお願いしました。毎年この勉強会の講師は、本当に本当に大変です。二日間ではありますが、一日目は朝昼晩の3回、二日目も朝昼の2回、合計5回の講義をしていただきます。それも各回2時間から3時間の真剣勝負です(笑) 生徒さん達の知識の深さは様々です。 そして来れるときに参加なので、講師の目の前にいる生徒たちはまさに毎回バラバラ・・・ 全ての生徒が理解できるように講義をする講師はそれだけでも大変な事です。(勿論毎回一緒に講義を受ける、先生や私は助け船を出しますが・・・) 挙句、うちの生徒は理解、納得できるまで聞きます(まあ、そのように育てたんですが・・・)本当に毎回講師の方には頭が下がります・・・というか上がりません!!

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そして、人間国宝の作品をはじめ、会場には沢山の作品が揃いました・・・ 王道のこれぞ博多!と云うものから、「えっ?これも博多?」と思う物まで本当にありがとうございました。 これら一点一点が講義が始まると、生きた教材に早変わりです。

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さあ、いよいよ一回目の講義が始まりました。 5人の生徒さん達は、年齢はもちろんお稽古の長さも様々です。 誰が緊張するって、講師が一番緊張しますよね(笑) 博多帯の歴史に始まり、柄の話や作る工程、紋紙などをはじめ様々な実物を見たり触ったりしながらの勉強は、本当に楽しそうです。 何でもそうですが、「最初」に考えたり、作りだしたり、試行錯誤をした先人は本当に凄い!! 最初は大人しげに座っていましたが・・・だんだんお尻が上がってきて、前のめりになって話を聞いています。 そして・・・気の知れた仲間同士ですから、『ちょっといいですか?』と前置きをしながら、質問がバンバン飛び交います。講師はなかなか思う順番で話が出来ない様で・・・御苦労さまでした!

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2回目 土曜日のお昼からの会は、お仕事帰りの方もいらっしゃいます。 この回には着付けを習い始めたばかりの方もいらっしゃいましたが、皆と一緒に真剣に学んでおられました。 博多の王道の柄「華皿」「独鈷」、言葉と柄はわかるけど、本物は?と言われると私自身も実物を間近で見たり、触ったりした事はありませんでした・・・が、今回は見るどころかしっかり触って・・・皆興味深々です。 目の前に実物をおいての織りの技法の話はとってもとってもわかりやすく、新鮮です! 手織りであっても、機械織りであっても織り始めるまでの機のしつらえは同じです。 その一例として、機の一部「筬」を手元で見せて頂きました。この細い一本一本に縦糸を通さなくてはいけません。「隣に入らん!」「3本ぐらいなら集中できるけど、その次は無理!!」「これだけでも神業だよ!!」様々な言葉が飛び交います。

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さてさて、三回目は夜の部です。 夜なので、どうしても毎回参加者は少ないのですが・・・「この時間しか来れない!」という方が毎年いらっしゃいます。 彩匠では例え一人であっても、学びたいと思う生徒さんがいらっしゃれば、会は開催します。 講師の方は3回目、疲れもあると思いますが、丁寧に頑張ってくださいました。 生徒さんも、お稽古を始めたばかりの方に加え、体調があまり良くなくて、お稽古をお休みしている方が、その奥様を気遣う優しい御主人と一緒に参加して下さいました。生徒さんの熱心な思いにも胸を打たれますが・・・その奥様が「ここに来ると前向きな気持ちが出て、力をもらうんよ。」と暖かい言葉と共に、奥様の気持ちを叶えるため寄り添っておられる御主人には、心の底から感動をおぼえ、お二人の愛情の深さにジーンとさせられます。。。。 電気が付いているとはいえ、やっぱり夜は細かな組織を見るのはちょっと不利です・・・ 眼鏡を使い組織を見るのに、二人とも・・・ 来年は手元のライトがいるなあ~ 博多織が、こんなに様々な組織を用いて織られている事に改めて驚かされました。織物って本当に奥が深いです。学べば学ぶほど自分の思っていた「博多織」って何だったのかと思ってしまいます。 職人さんに失礼だったなあ~と!! やっぱり勉強は大事ですね。

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さあ2日目のスタートです。 「良く眠れました?」という質問に、「バタンキューでした。」 「疲れたでしょう?」「いや、しっかり寝ましたから、大丈夫ですよ」と心強い言葉を頂き、4回目スタートです。 この回は彩匠の中でも「ベテランさん」が寄りましたね。小さい子供さんも一緒でしたが、慣れてしまえばお母さんもしっかり勉強できてます。 私は子供さんと一緒に遊んでました(笑) 流石ベテランです。質問も高度なものになり、講師の話ののみこみも速い!! なので講義の後で、それぞれが気になった物を見る時間もあります。柄付け、組織の話、格合わせ・・・いくらでも話は広がっていきます。 「博多織の機場にお邪魔したいです~」「いいですよ、是非来て下さい。」「目黒先生、OKだそうです。いつ行きますか?」 なんて、出かける話まで進んでいます! 苦笑いですが、現場にお邪魔する事は、学ぶ上ではとっても大事な事です。 自分自身の「五感」で感じる事が何よりの勉強になるからです。 職人さんには「邪魔」以外の何物でもないんですけどね・・・ 勿論私の頭の中にその計画はもともとあるんですが・・・(笑)

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最後の回です。 5回目! 生徒さんはお二人でしたが、共に口数は少ないものの、深く考えるタイプの方が寄りました。 講師も5回目になると、やっぱり上手になります。 とっても静かな回でしたが、真剣さはひしひしと伝わってきましたね。 「博多織は正直よ~。」という根拠の「色別証紙」ちょっと前からざっくり2色になっていて、残念!! でも、やっぱり元に戻そうという動きがある事も知りました。 職人さんはいつの時代も熱心に、真剣に物作りをしている・・・その思いにそれぞれがどう応えてゆくのか。 学んだ一人一人が考えてくれると思います。

5回もの講義、相手が様々なので、言葉を砕いたり、流れを変えたり、様々に気を使いながら講師の西山さん本当にありがとうございました。 お願いする方はのんきなんですが、実際に講義をして下さる方は、実は夜ホテルに帰ってからも、眠れてないのでは?と思います。 「どうやったらより解りやすいだろうか?」とかやればやるほど悩ませているんだと、5回全てを隣で聞きながら、思っています。 本当に本当にお疲れ様でした。 ありがとうございました!! 学んだ宝物を一人一人がしっかり生かしてくれたら嬉しく思います。 間で段取りをして下さったFさん、お手伝いして下さったK先生お疲れ様でした。 来年は・・・もう実は決まっています!楽しみにしていてください。