秋の日帰り京都旅行

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11月26日(水曜日)

こんにちは。今朝は少し暖かい朝でしたね。 七五三のピークも過ぎ、着付けは成人式の前撮りに変わりつつあります。

さて、彩匠ではこの時期恒例の秋の日帰り旅行に行ってきました。

11月20日木曜日。 秋の京都へ総勢17名でのお出かけです。 もちろん参加者は着物です。

今年の予定は・・・ 午前中は例年「式年遷宮」を控えた「上賀茂神社」で、特別拝観をお願いしてました。

昼食は京都らしく、湯葉懐石を「泉仙」でいただき

午後からは、和装小物のメーカーでもある「あらいそ」で、「名物裂」の勉強です。

そう、彩匠の旅行は、例え旅行と言っても、何かしらのお勉強の時間を必ず組み込みます。

朝8時過ぎの新幹線に乗り込み、京都へ着いたのは9時半過ぎ。当日は、晴天!とはいきませんでしたが、風もなく過ごしやすい一日でした。

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10時半過ぎから、上賀茂神社特別拝観の開始です。 来年に式年遷宮を控えて、上賀茂神社は今修復の真っ最中です。

伊勢神宮の式年遷宮は非常に話題になりましたが、伊勢神宮は20年ごと、上賀茂神社は21年ごとと決まっているそうです。

上賀茂神社は「世界遺産」に登録されている神社ですし、それぞれの建物は国の重要文化財登録されていますから、「壊して建てなおす」という事は出来ないそうなんです。なので、一つ一つ修復していくことになるそうで、今回お願いした「特別拝観」は、宮司さんがついて下さり、上賀茂神社に関するお話や、国宝の本殿の参拝、さらには修復途中のひわだ葺のお屋根を間近で見せていただける内容でした。

年間70以上の行事ごとを行っておられる上賀茂神社は、宮司さんたちもお忙しい・・・にも関わらず、17名という人数ゆえに一応「団体」扱いで「特別拝観」のお許しを頂きました。

思った以上にユーモアのある宮司さんのお話にあっという間に引き込まれました。 平安の昔から、葵祭りを今も変わらずおこない続けている上賀茂神社に圧倒されました。源氏物語に思いをはせて、わかりやすいお話、天皇さんのお話などなど他では聞けないであろうお話も、沢山聞かせていただきました。

それだけでなく、現代の「JR東海 そうだ京都に行こう。」の撮影秘話もお話いただきました。 ユーチューブの映像を見ては、クスッと笑ってしまいます!!

そして、本殿の隣、権殿への参拝(現在本殿のお屋根を修復中の為、神様は隣に並ぶ権殿へおいでになります。) 中庭の神々しい事、ピンと張りつめた空気に、背筋がしゃんとします。 「天皇陛下が、参拝をされた時、(その時は本殿でした。)美智子さまが立たれた位置が、皆さまが立たれている位置です。(美智子さまは本殿前、私たちは隣の権殿前)美智子さまと同じ位置に並ばれましたね。」などと、くすぐったい事をいわれて、皆なんとなくニヤニヤしてしまいましたね。

そして、「お屋根の修復現場へ行けますが、どうされますか?」と聞かれました。 そうです、全員着物、履物は当然お草履です。「すこしまたいでいただいたり、登ったり、足元が少し心配なんですが・・・」と優しい宮司さんのお言葉でしたが、ハイ、彩匠の皆の返事は「どこでも大丈夫です!心配いりません、ぜひ連れてって下さい!」です。

少しお庭を歩いて、本殿、権殿の裏手に回り、修復の為にかけてある工事用の足場を登り、本殿のお屋根にたどり着きました。 修復途中とはいえ、美しい曲線のお屋根にうっとりしました。 1枚1枚のひわだを重ねて、竹で作った釘で止めてゆく・・・ 気の遠くなるような作業です。ぞくぞくする程美しいそれは、職人さんの非常に優れた技術の結晶です。 20年21年の式年遷宮には、その技術を継承してゆく為にも丁度いい歳月なのだと気づかされました。感動!!の一言です。

「今回の修復に必要な材料は何とか確保できたようですが・・・残念ながら次の修復に必要な材料の確保は、今のところ難しいようです。 どうなるんでしょうかね・・・」と悲しいお話も出てきました。

なんででしょうね・・・日本って国は、日本人とは一体何なのだろう?こんなに優れた世界的にも十分通用する優れた技術があるのにその素晴らしさに、一番近くにいる日本人が気づかない。他の国の方々が絶賛して下さり、一生懸命その技術を取り入れて、さらに優れたものを・・・と考えているのに、なんで日本人は自分の足元を見ようとしないのか?日本人としての民族の誇りみたいなものが、なんで持てないのでしょう? (GHQが日本にやってきて、日本という国の形は残ったけれど、本当は一番大切なものをしっかり奪われて、壊されて、すり替えられたのだろうと、最近つくづく思います。) かくいう着物業界も全く同じ!! 腹立たしくもあり、さみしくも、悲しくもあります。

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いろいろな思いを胸に、参加者一同で、記念撮影。 なんだか、今回写真撮る枚数が、少なさそう・・・ 撮りながらふと思ったのですが、これが的中!! すみませんね~ 全員での写真はこれだけしかありません。

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楽しい宮司さんのお話にすっかり夢中で聞き入ってしまい、時計を見てびっくり!! 予定の時間をとっくに過ぎています。 なので、紅葉狩りもそこそこに、昼食をお願いしている「泉仙」さんに直行です。

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すっかり時間を過ぎてしまい、お店に到着。 お二階のお座敷に用意をしていただきました。 「湯葉懐石」美味しかったですよ!最初のころは、写真を撮っていたのですが・・・いつの間にかすっかり忘れてしまいました。すみません!!

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すみません。本当にほんの一部・・・ 湯葉懐石 味もボリュームも本当に価値ありました!!

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皆の食事風景も、最初のころだけで・・・ この後お腹いっぱいで、お昼からの「名物裂」の勉強 寝ちゃうかも・・・なんていいながら、「あらいそ」さんに移動です。

お昼からは「あらいそ」の社長さんによる「名物裂」のお話を、名物裂のルーツに始まり、柄の名前、織り方の技法や使われている糸や箔、金属糸など実物を見て、触ってのがっちりとした勉強をしました。

だあれも眠くなっている人はいませんでしたね。 よく遊び、よく食べ、よく喋り、よく笑い・・・ でも何より知識を学び自分のものにしようとする貪欲さ!! これぞ彩匠の生徒たちです。 お話が終わった後も、納得できない事は個人的に質問していたようですし、織りあがっている反物を実際に見ながら教えてもらっている人もいましたね。 そして、それぞれ目当てのあった人は、バッグやら袱紗やらこれまた真剣に選んでました。

結局一日しっかり京都で遊び、食べ、学んだ一日でした。 楽しい秋の一日を有意義に過ごせた事は、上賀茂神社の宮司さんに始まり、食事の段取りや、当日の足をかってでてくれた、担当者のK君。 彩匠の行事には欠かせないK先生。そして「あらいそ」の社長さんをはじめとする、皆さんの協力があってこそ。本当に感謝しています。 ありがとうございました。 そして、今後ともよろしくお願いします!!