お草履の勉強会

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6月26日(金曜日)

こんにちは。今日はすごい雨降りですね。 でも、九州では比にならないほど降っているようで・・・被害が出ない事を祈ります。

先週の20日の土曜日と21日日曜日の二日間 彩匠では「お草履の勉強会」を開催しました。彩匠の6月は、毎年何かを「勉強」する会を続けてきています。実はお草履に関しては、10年ほど前に(もう10年も経つのかと驚きですが・・・)一度しっかり勉強をしています。が、嬉しい事に新しい方も増えてきている事を思うと、もう一度勉強をしてもいいかも!と開催を決めましたが・・・ 嬉しい事に我が彩匠には、10年前に学んだ方が、現在もいらっしゃいます。当然その方々も勉強会には参加される訳で・・・参加者全員が学ぶことがなければいけません。

考えた末に、制作現場を知ってもらおう、職人さんの思いや、技術の素晴らしさを学んでもらおうと思い、メーカーさんに無理を言って、取材させていただきました。 職人さんの仕事現場は、ある意味神聖・・・部外者がずかずか入っていい所ではありません。が、思いを酌み取って下さり、写真撮影や、ビデオ撮影をさせていただきました。写真だけでなく映像で見ることにより、少しは職人さんの仕事の様子や大変さを感じてもらいたい・・・そんな一心で取材をさせていただきました。

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講師は、代表して「スゲ師」の蔭山先生にお願いしました。 実は今回は、職人を束ねるメーカーの社長さんにも講師をお願いをしてみたのですが・・・「どうしても無理」という事で、残念でしたが、その分お話していただいた事を、講師の口から、さらに私の口から皆に伝える事が出来たと思います。

技術を守るために、日当、出来高制だった職人工賃を、職人を「社員」として雇うことにより、安定した環境を提供・・・でもそれは会社側からすると本当に大きなリスクです。その上、今までの作業環境の悪さを改善するために、様々な環境整備や、頭を柔軟にする事により、作業効率の上がる方法を積極的に取り入れるなど、その真剣な取り組みには本当に頭が下がる思いです。自分に出来る事は何だろう!とおのずと考えてしまします。

講師の紹介のパネルに、今回の勉強会の資料です。今回の資料は自分で学んだ事を書き込み、自分独自の資料になるように作ってあります。

さて、準備の出来た教室の風景です。

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今回は、制作にもスゲにも手のかかる雨草履が、皆さんのご厚意で、全色揃いました!!今年の彩匠の行事は、本当によく雨が降りました。 その時つくづくこの雨草履があって良かったなあと感じました。 普段は注文して2~3か月待たないと手に入りません。本当に優れモノです。 手に入れて履いてみればその価値は誰もが認めざるを得ないと思いますよ。

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今回は、夏物中心の草履たちです。夏物は、非常に生産量が少ない(需要が少ないからおのずとね~)これだけの種類が一同にはなかなか見れません!!

でも、10年前にお草履の勉強会をしたときには、教室中あふれるほど草履が並んだんですが・・・これが現実です。 需要が減れば、おのずとモノは作れません・・・だんだん受注生産になっていくのは仕方ない事なんですが、ちょっと悲しくなったのは私だけでしょうか・・・

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そして、今回は生徒さんから「下駄が欲しい!!」とリクエストがありました・・・下駄を手に入れるのは、ある意味草履より難しい・・・ですが、リクエストがあれば仕方ありません・・・直接出向いて行って、下駄の台だけでなく、鼻緒もチョイスしてきました。

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そして、更に御縁があって、紅梅の浴衣や「竺仙」の浴衣が数点やってきました。ある時しか見れないものですから、一緒に展示しましたよ。

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準備が整って、ひと段落。珍しく学院長が、「まだ皆見てないから、申し訳ないかなあ~。でも、中学生の孫にね・・・」と下駄を一足スゲてもらいました。右近、刷毛目の塗下駄に、赤い可愛い鼻緒をすげてもらいました。 可愛い下駄の出来上がりです。

本来下駄と草履のスゲ方は全く違います。なので、下駄をスゲれても、草履はスゲる事は出来ません。 もっと言えば男性もののスゲも違います。それぞれにスゲの職人さんがいらっしゃいます。が、蔭山先生は草履も下駄も男モノも全てをすげる事の出来る、貴重なスゲの職人さんです。 すごい方なんですよ~!!

さて、いよいよ勉強会の始まりです。今回はあくまで勉強会なので、20日の土曜日は午前の部、午後の部、夜の部の三回、21日の日曜日は午前の部、午後の部の二回の予定です。生徒さんたちは皆自分の都合のいい時間に参加してくれます。

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一回目の開催は、講師もこちらも話の仕方や各資料(ビデオや写真、草履の素材・皮やコルク代、天の台)を使っての説明の流れ・・・ちょっとアップアップだったかもしれません。でも和気あいあいと質問や疑問を口にして、いい勉強会になったと思います。 勉強会が、ひと段落してから下駄をすげてもらっているタイミングでやっと写真を撮ることを思い出して・・・すみません!!

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二回目の開催は一番沢山の方が参加でしたね。中には彩匠に来られるのは初めてという方もいらっしゃって、嬉しかったですね。こうして改めて写真を見ると、いかに皆が「かぶりつき」状態で、学んでいるかがよくわかります。

各資料で学び、更に下駄や草履一足づつから、それぞれ名称に始まり、格や、用途様々な事を学びます。「知っているようで知らない事、沢山あって、びっくりしました。」「考えたこともない事も沢山ありました。」「足元の大切さが、本当によくわかりました。」などなど嬉しい感想を沢山いただきました。

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夜の部は、さすがに講師も疲れが隠せません!!が、昼間とはうって変わって、三人が自分たちのペースで、しっかりじっくり学んでいました。 「皮って光沢が無いものだから、光っているものはすべてビニールだと思っていました。」という驚きの発言もありました。(皮の上からエナメル加工がしてあるので、光っていても皮です。)「お草履の勉強会って、何を勉強するのか、とっても疑問で来たのですが、こんなに沢山勉強させてもらって、驚きました。参加して良かったです。」と嬉しい声も聞けました。終わってみれば22時をゆうに回っていましたね。講師の蔭山先生本当にお疲れ様でした。

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さて、21日日曜日の午前の部の始まりです。この回は、10年前の勉強会にも参加された方が多数いらっしゃる回です。一番今回の内容の善し悪しを判断する回です。講師も私も緊張が・・・でも、昨日の疲れもあって、更に皆の暖かい雰囲気に、「昨日遅くまでこき使われてました・・・」という愚痴から始まった回でしたね。ただ、皆の真剣さは、疲れきっているはずの講師をのせて、どんどん広がってゆきます・・・講師をのせて学ぶ大切さを肌身で感じた回でした。皆の資料はどんなものが出来上がったのでしょう・・・いつか皆の資料を突き合わせて見たいものです。帰り際に恐る恐る、「更に学べたことはあった?」と聞いた私に、「沢山知らなかった事がありました。またしっかり知識が増えました。ありがとうございました。」と答えてくれた長年の生徒さんの言葉に、心底ほっとしましたこちらこそ「ありがとう」です。

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さて、いよいよ最終回です。 講師も「やっと最終回。やっとここまで来ました!」から始まった回でした。この回には、前日も来られていた方が、再び参加されたり、仕事を一生懸命調整して参加してくれた方が多かったですね。 学ぶ機会を真剣にとらえてくださる姿には、こちらも本当にやってよかった、やりがいを感じさせてもらいます。少人数の日曜の昼下がり、参加者は熱心に聞いてくれる姿に、講師も「本当にここの生徒はすごいなあ、やりがいがあるよなあ~」と・・・ 最後の写真は「京小町、後丸の塗下駄」浴衣だけでなく、着物の時にも足袋を履いて履ける下駄です。着物でも履きやすいような鼻緒を選んでスゲてもらいました。

今回も沢山の方々に支えられ、助けていただきこの勉強会を開催できました。 学院長と彩匠を立ち上げるときに決めた事「他の学院では出来ない事をする。わざわざ彩匠を選んでお稽古に来て下さる方々に、ここでしか学べない事を提供し続けていく。生徒さんの為に、職人さんの為に、かかわって下さる全ての方の為に、全力で・・・」でも、それって私たちがどんなに願っても、協力して下さる方々がいなければ成立せず、そしてそれを受け取って下さる方がいなくても成立しない・・・ 今回改めてその和がここにある事を強く感じ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。 皆さん本当にありがとうございました。どうぞこれからもこんな彩匠ですが、よろしくお願いしますね。

そして、勉強を始める前に言った事忘れないでくださいね。「知識」を与えてもらう事に鈍感にならないで、感謝を忘れないでください。感謝かあれば、一人づつ出来る事があるはずです。一人一人の大切な責任!皆で一緒に果たしてゆきましょうね。

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