振袖 立ち居振る舞い講習会 開催

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8月30日(土曜日)

こんにちは。 やっとスカッとしたいいお天気になりましたね。(暑いですけどね!!)

昨日29日の金曜日 いつもお世話になっている サンアイフォトスタジオさんで、来年1月に成人式を迎えられる方を対象に「振袖の立ち居振る舞い講習会」をさせていただきました。

毎年「もうトイレ行けないですよね?」「もう何も出来ないですよね?」と着せつけの最中に聞かれます。 それが前撮りの着付けの時であれば比較的時間もありますから、様々な事をお話しできるのですが、成人式当日だと時間もありませんから、本当に簡単なお話しか出来ません。 「きっと不安だろうなあ~。」といつも思うんです。

成人式というのは、たいていの方にとって、着物で一日過ごす最初の日。その時の着心地は一生忘れないものだと思います。そして、その時の印象によって、着物を好きになるか、嫌いになってしまうか大きな分かれ目の気がします。

一昔前、日本人は皆着物を着て生活をしていたわけですから、(もっとラフな着方ですけどね!)本当は不可能な動きは無いはないはずなんです。 要は、「慣れ」の問題だと思うんですけどね。

初めて着る着物が、お袖の長い振袖・・・ ある方に言わせると、「無免許の人が、ダンプカーを運転するようなもの」だと。少しでも大事な節目の一日を、楽しく過ごして欲しいという思いで、この講習会をお店の方と相談して始めたんです。 もう三年目ですかね。

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言葉だけで伝えるのは難しいので、毎回知り合いのお嬢さんに実演のモデルをお願いします。(もちろん新成人の方ですね。)朝から教室に来ていただき、着付け師が教室の振袖を着せつけます。 実は、これは着付け師にとっても本当にありがたい事です。 普段のお稽古では、互いにモデルになって、着せつけの練習をするのですが・・・ どう頑張っても若い二十歳の娘さんとは「体型」が違います。体型が違うという事は、着せつけで、一番大事な「補正」が違うという事です。 わかってはいてもなかなか二十歳の方で練習する事は難しいのが現状です。なので、こんな機会はまたとないチャンス!! ドキドキしながら、今回も新人の着付け師が、先生と共に着付けをしてくれました。 朝11時くらいから、夕方5時前まで、途中昼食も食べたり、車移動も、もちろん講習会でのモデル(動きの実演)もしていただきました。感想は、「疲れてはいるけれど、苦しいところはないし、身体は自由に動くんですね。これで、成人式バッチリだわ!」と喜んで帰られました。私も嬉しかったです。着付け師のHさん。大丈夫です。心配ないですよ!!お疲れ様でした。

さて、振袖の立ち居振る舞い講習会の様子も少し見てみましょう。

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今回は、親子で参加していただきました。(他にも希望者はあったようですが、都合が悪くなってキャンセルになったり、日程が合わなかったり・・・ 皆さんの「知りたい」と思う方々の要望になかなか答えられなくて、申し訳ないです。)

折角なので、まず最初に「成人式って何?」なんていうお話からさせていただきました。振袖の長い袖に込められている意味や、振袖にふさわしいとされる柄や、そこに込められている意味、願いなども一緒にお伝えさせていただきました。 また、どうして着物が優雅に見えるのか、なんてポイントもお伝えしましたね。そして、当日少しでも気持ちよく過ごしていただくために前日までにしておいて欲しい事や、軽視しがちですが、本当はとっても大切な「足元」についてのお話もさせていただきました。お嬢さんより、やっぱりお母様の方が、心配しておられる事、疑問に思っておられる事などが沢山あり、それらにもお返事をさせていただきました。 その後いよいよモデルさんに手伝ってもらって、立ち居振る舞いの実演開始です。

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まずは、振袖の一番のポイント。 長いお袖の処理の仕方です。 何をするにもこのお袖に気を配らなければ、綺麗な動きになりませんし、着物そのものも非常に汚れてしまう事になります。

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綺麗に、楽に座るにはどうしたらいいのか? また、座った後のお袖をどうしておけば、綺麗に見えるか、汚れないか、気にし続けなくてよいか?  続いて、車への乗り降りの仕方。いつもと何が違うのでしょう? 座った後も綺麗でいられる座り方とは?

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階段の上り下りの時 気を付ける事。 もちろん歩き方も!!

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物を拾う時、どうしたら美しく立ち居振る舞えるか? これは何も和服の時だけではありません!!

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そして、何より皆さんが一番気になる「トイレの行き方」 少しでも楽に心配なく出来るように、考えてモデルさんに実演してもらいました。 コツをつかめば簡単なのですが、少し練習出来たら安心だと思います。

モデルをしてくれたHちゃんも、最初は「ちょっと難しい・・・」と言っていましたが、三回ほどやってみると、とってもスムーズに出来るようになりました。 紐とピンチを一つづつ持っていると、両手が空きますから、何の心配もありません。

お二人とも「へ~!」とか、「なるほど!!」とか、「特別な事ではないけど、知ってるのと知らないのとでは全然違いますよね!!」「参加して、良かったです。」「沢山いい勉強をさせていただきました。」などと言っていただき、ホッとしました。

確かに、すごく特別な事は何もないんです。 でも、ほんのちょっとした、身体の動かし方や、気を配るポイントがあるので、それを知っていただけたら、当日安心して楽しい一日を過ごしていただけると思います。

彩匠の願いは「着物を好きな方を増やしたい」「民族衣装を通して、日本人の知恵や心配りの素晴らしさを知って欲しい」「そして、本物の技術を残してゆきたい」・・・ そのお手伝いがしたいなあ~と思っています。

もし、このブログを読んで、(なかなか怖さもあると思いますし、難しいとは思いますが・・・)「私も知りたい!!」と思われる方、「娘に教えてやりたい」なんてお母様もいらっしゃいましたら、遠慮なさらずに、お電話ください。 ご本人であれば、教室の振袖を実際に着ていただいて、練習してみてくださるといいと思います。(着付け師の練習にもなりますから!!)お母様であればお話させていただけると思います。(教室内ですから、お母様に置物を着ていただくことも、もちろん可能です。) いずれにせよ、喜んでお手伝いさせていただきますので、090-2865-4143まで、ご連絡ください。

雨がチラホラ降りましたが、暑くない一日でホッとしました。(モデルさんは、真夏に「袷・冬物」を着ている訳ですから・・・)Hちゃん一日本当にありがとうございました。とっても助かりました。参加者のお二人にも感謝します。また、お店も時間を取って下さって、ありがとうございました。着物大好きになってくれると、嬉しいですね~!!