ベンガラ染め体験会&吹屋ふるさと村見学
6月14日(金曜日)
こんにちは。 あっついですね!! 岡山は連日35度以上が続き・・・グッタリしてきました・・・ 熱中症、お家の中にいても なりますから、喉が渇く前に水分補給してくださいね!
そんな暑さの中、それも37度を記録した13日に総勢10名で、「ベンガラ染め」体験に出かけてきました。 朝9時 教室集合で、2時間かけて 高梁市成羽町の吹屋へ出発です。下見に出かけた、私と学院長が運転する車二台に分乗して出かけました。
午前中は「吹屋ふるさと村」見学です。
ベンガラ塗りの壁、柱もベンガラ塗り・・・そんな歴史的建造物群が続く町並みでした。
彩匠のお出掛けは、大抵が「着物を着て」です。 今回のように、「体験」の時を除いて。でも、確かに、今回は「そんなに汚れないから、割烹着を持ってゆけば、着物でも大丈夫よ~」と、言いいました 私。。。 台風がどうのこうの・・と言っていたので、私も、学院長すっかり服で出かけたにも関わらず、着物で参加してくださいました!! 本人曰く、「顔は暑いけど、体はそんなに暑くない。」と、着物って本当にすごい!
猛烈な暑さの中、日傘を挿して散策中。 「暑い!!」と言いながらも、一軒一軒チェックです。 気がつけば、個々にお土産もゲット!! 私もちゃんと地酒を買いました。 それでも、何だかんだと言いながら、気が付けば一時間以上 散策していましたね。
いよいよお昼です。
「ラ・フォーレ吹屋」ホテルでもありますが、ランチをいただけます。 コース料理もあるようですが、今回は、松花堂弁当をお願いしました。 暑い中 たくさん歩いたせいか、食事の前半は黙々と食べていて、そのあまりの静けさに笑っちゃうくらいでした。 後半に入ると、栄養補給したせいか、いつもの賑やかな彩匠に戻りましたけどね!
さあ いよいよお昼からは、今回の目的、「ベンガラ染め」体験です。
国登録有形文化財指定を受けている「西江邸」は、江戸時代以降 天領地の管理を許され、居宅は代官御用所も兼ねる 大庄屋でした。 1751年には本山鉱山を開抗し、ベンガラの生産を開始しました。伊万里焼や九谷焼の赤色顔料として、海外、西洋まで広がりました。 本来ベンガラは「弁柄」と書きますが、西江家ではあえて「紅柄」と銘を打つそうです。それは、柿右衛門赤に、代表されるように西江家のベンガラが、「赤の中の赤」と賞賛され、芸術家達に愛されてきた品質の高さの証でもあるそうです。
一口にベンガラと言っても様々です。 私の中では、色止めのきかないものの代表が、ベンガラで、身にまとうものには、使えないだろう! と思っていました。 今現在一般的に「ベンガラ」と言われている物は、いわゆる工業用のベンガラ・・・実は似て非なるものなんですが、ぐちゃぐちゃになっていることを、今回勉強しました。
ベンガラは顔料です。 そして、きちんと染めれば、きちんと色止めできますから、身にまとう事、十分可能なんですよ。 ただ、貴重なもので大量生産が出来たりや、安価な物ではないんです。そんな貴重な「紅柄」を用いて、スカーフ(細い人には「帯揚げ」に使えそう!)を染めてゆきます。
まず最初にするのは、生地に付いている糊を流水でしっかり洗い流します。 結構しっかり洗わないと取れません。 残っていると綺麗に染まりません!
そして講師の西江さんに今日使うベンガラの説明を受けます。 あらかじめ、豆汁を混た、染液を作ってくださっています。ベンガラの種類は三種類、それぞれ、濃さが三段階。そして、染まる色も微妙に違います。 ピンクがかった色から、オレンジがかった色まで・・・
さあ、最初は生地を屏風畳みにして いよいよ染めのスタートです。
屏風畳みは、皆お手の物です。 帯結びで使うもんね~ でも、ここからがいよいよ自分のイメージするものを作れるかどうか、頭の中で一生懸命考えます。 今回は、浸し染めですから、絞りや括りが出来るわけではなく、柄を描くわけではありません。 どう畳み、どこをどう染めるか・・・頭はフル回転です。 三回ほど染液に浸しますが、一回目は薄めの色を全体に染めてみようと、いうことになり、恐る恐る浸してゆきます・・・
表面に浮いている染料を指で揉みこみます。 底に沈んでいるものはすくわないように・・・ 指の力が強いと、やっぱりよく染まるそうです・・・ 目安は30回。一生懸命でしたね。 そして、生地を絞り、乾かすために屋外へ・・・
乾燥ってこういうこと!? そうです。 風に吹かれ、パタパタと。 太陽の光でまさに自然乾燥。 でも、これって大事な意味があるんです。 顔料ですから、生地の表面に染料は乗っている状態です。しっかりパタパタして、余分なものを落とします。 そして、日光に当たることで、染料が発色してゆきます。 これに最初に気付いた人はすごい!!
皆も気付きましたよ。一人でパタパタするより、二人組みになったほうが、より早く乾燥すること!! 何だか楽しかったですね~
いよいよ個々にイメージに向かって、作業開始です。 染めないところを水にぬらして、自分の思う畳み方、思う色、・・・ 個性が出てきます!! そして、再び乾燥です。
一度目とは、明らかに色が違います。 この段階で、イメージ通りに出来ている人、あれ!?っていう人出てきましたね。 そして、乾燥することで、変わってゆく色、発色してゆく様子が良くわかりました。 「もうこれでいい。」という人も、もう一度染める人も様々・・・皆イメージに着々と近づけてゆきます。 そして、最後に色止めです。
畳んで、ミョウバンを溶かしたお湯の中に役20分くらい浸します。 そして再び乾燥。 持ち帰ってよく流水ですすぎ、干したら完成です。 体験を指導してくださりながら、西江さんはさりげなく、染めの知識を与えてくださいます。 身近にある染料として使えるもの・・・たまねぎの皮に、紅茶、びわの葉、くちなしの葉・・・ ご自分がキッチンであれこれ試してやってみたことも、さりげなくお話してくださいました。 お陰で、皆 「染め」と言うものが、グッと身近になったと話していました。
最後に作品を持って、集合写真です。 ホントに楽しかったし、沢山勉強になりましたね。 そして、その後、西江さんのお宅・・・そう国登録有形文化財の西江邸を西江さんご夫婦にご案内いただきました。
博識のご主人が、笑いを混ぜつつお話をしてくださり、ご主人に負けないほど、勉強熱心な奥様が、的確に説明をしてくださって、あっという間に一時間が経ってしましました。 帰りには採りたての「破竹」を一人ひとりにお土産として用意してくださって・・・ あの暑い中採りにいってくださったんです。 本当に有難うございました。 少し形や内容は違っても、日本の伝統文化を 技術を守ってゆこうと願っている思いは共通だと感じ、嬉しく思いました。 新しい出会いに感謝です。
暑い一日でしたが、個々にもっと熱い一日だったと思います。 又、お家で仕上げたら、一度教室にもってきて、いけなかった人にも見せてあげてくださいね。 参加者の皆さんお疲れ様でした。 そして、西江さんご夫妻 本当にお世話になりました。有難うございました。