日帰り京都旅行

   

12月1日(土曜日)

こんにちは。 気がつけば今年も師走・・・ 早いですね~ (と言うか、11月はブログ更新できてない・・・ スミマセン)

11月は内容の濃い一ヶ月でしたよ。 今日は、そのうちの一つ 彩匠では毎年恒例の秋の日帰り旅行です。  昨年は大阪にお出掛けしましたが、今年は京都へ行ってきました。 

彩匠では、ただ単に遊びに行く! だけでなく必ず学ぶ事を含めます。 と言うか、京都旅行の目的は「学ぶ」事です。そしてそれだけでなく楽しみもプラス!でしたね。 

今年の学びは「本爪綴れ」の職人さんに会いに行く! でした。 コツコツとご自宅で帯を織っている職人さんを尋ねて、さまざまなことを見せていただき、教えていただく。贅沢な時間です。 が、今までの経験から行くと、一日の最初に職人さんの元を尋ねると、一日がそこで終わってしまうので、午前中に紅葉を見に出かけます。 

今年は職人さんを紹介してくだっさった問屋さんのつてで、一般ではなかなか入れない、清水寺の奥の院へ、連れて行っていただきました。

 普通は車では入ることが出来ないところを、お迎えに来て下さった方の車で入ります。。。 沢山の方々が急な坂道を歩いているのに、そこを車で入ってゆくのは、いい気分というより、気恥ずかしいような、申し訳ないような・・・(一般人ってこんなもんですよね。。。)

そして通されたお部屋は、国賓がこられた時に通されるお部屋です。 ガラス張りのお部屋からは、京都の町が手前の美しく紅葉した木々の彩をまとって一望です!! 「お~!!」としか声が出ません。 決して絢爛豪華ではないけれど、美しく整えられたお部屋と調度品。何だかピリッと筋の通った美しさを感じる空間でした。 

そうこうしていると、案内をしてくださる 大西さんが来て下さり、美味しいお菓子とお茶と共に、優しく暖かい声で清水寺の説明をしてくださいました。 お若いですが、凛々しさと言うか威厳が備わった方でした。でも、堅苦しくなくて人をぐいぐい惹き付ける方です。 参加者一同 あっという間にファンになってしまいました。 

            

その後建物の中の 仏足石を前に「仏」とは?と言う大切なお話を聞き、共に境内へ・・・ 普段では入ることの出来ない「西門」へ入れていただき、「天国とは地獄とは」お話を聞きながら、素晴らしい眺めを堪能です。 

     

詳しい説明を聞きながらだと、以前見たことのある場所の景色も、全然違ったものに見えます。 恵まれているなあ・・・ と実感しながら楽しみました。 

   

大西さんは本当に、暖かく親切 そして親しみやすい方で、写真の植木の名前を知りたい!と言った生徒さんのために、後日調べてきちんと教えてくださいました。「満天星 と書いて、どうだんつつじ」です。と・・・ なんと教室にあるのですが。。。あまりに綺麗に紅葉していて、わからなかったんですね!! ご一緒した写真を見て、参加者一同驚きました。 大西さん大きい!! こんなに大きな方だったなんて、ビックリしました。 それほど優しく暖かい、威圧感を全く感じさせることの無い方なんだ・・・と改めて感心しました。他にも沢山一般の方が入れないところに招いていただき、それぞれの場所で、胸にしみこむお話を聞かせていただきました。 お世話になりました。 幸せな時間を過ごせたなあ~と思います。 参加者一同、「又、大西さんに会いたい!!」と願ったのは言うまでもありません。 参加人数が、予定より多かったので一日の予定が、二日間になってしまってご迷惑をおかけしたと思います。が、暖かく迎えていただき、沢山の大切なこと貴重な経験をさせていただき、本当に有難うございました。  

   

 さて、勿論次は昼食です。 同じく問屋さんが、京都らしい料理を!と用意してくださいました。 ホテルランチで、それも個室状態で 気楽にお食事を堪能しました! 目で楽しみ、舌で楽しみ味わう、京都らしいお食事に皆満足そうでしたね。

        

さて、いよいよ本日のメイン「本爪綴れ」の職人さん「永井巌さん」の元へ・・・ 「午前中で、胸がいっぱい、ランチでお腹いっぱい、もうどこにも入らない~」なんて、車の中で言っていたのは誰?? なんて思うほど、やっぱり職人さんの元へ行くと、皆かぶりつきです!!

     もう、必死です。 職人さんの邪魔!!

    

何より気になるのが、職人さんの爪!! 真ん中の写真が、爪を研ぐ道具です。 資料で見る爪は、綺麗ですが 当然ながら永井さんの爪は様々です。 左右の人差し指、中指、薬指の合計六本の指の爪を順番に使ってゆくそうです。 

糸をしごく時気持ち悪くないのかなあ~  日常の生活困らないのかなあ~ 爪って結構健康状態があらわれるよね~ どんなものを食べてるのかなあ~ ・・・ 聞きたいことは山ほど!! 質問の嵐でしたね。 「大敵はセーター!!」「やっぱりそうか!!」 なんて、職人さんだからこそ感じていることを、沢山教えていただきました。

     

綴れはまるで絵を描く様に柄を織って行きますが、爪掻き綴れは人間の体を道具にして、織ってゆきます。ボカシはどうするのか? 何故本綴れは裏表 使えるのか? どうして織りの組織が途中で変わって織られるのか? 永井さんの手元を長時間見ていると、今までの疑問が次々解消されてゆきます!!  本当にすごい技術です。 何より柄の図案を見て、柄の様子を想像し、要望を聞き、抽象的な表現の指示を 現実に形にしてゆく。それは、縦糸をかけるときにもう全てのイメージが出来上がっていることです。経験に基づく職人の勘。本当にすごい!!  そして、その職人の人柄も作品に加わってゆきます。 ため息と感嘆と、、、同時にとてつもない感謝と尊敬の念が沸いてきます。 他の機織で聞こえる「トンからトンから」という音すら、綴れ織にはありません。 何より緻密で、繊細で、地味な仕事です。 想像するだけで・・・ 頭が下がります!! 

本当に、現場に行ってみないとわからないことが山ほどあります。 今回も沢山の幸せな経験をさせていただきました。 全てが、人とのつながり。彩匠ではそれが全てです。 だからこそ本当に関係者の方々には頭が下がります。 問屋のO社長、またその息子さんまで、本当に二日間お世話になりました。 わからないことは何から何まで、快く引き受け、用意を整えてくださり、感謝しています。 また、いつものように、時間をつくり彩匠のために、人脈を紹介し、お手伝いくださったK先生 有難うございました。 二日間、参加者の皆さんも様々でしたね。それぞれの立場で沢山のことを得て帰ってくださったと思います。 どうか周りの方々にご自分が得たことをお話してくださいね。お願いしておきます。